中国駐在員報告



2006年7月 経済
駐在員 : 小杉 長生


    1元でも高いレートで両替しようとすると、日本円から人民元への両替は、最近特にそのタイミングが難しい。例えば、上海市内の中国銀行で1万円を人民元に両替すると、4月11日は658元、6月6日は698元と1万円で40元違う。この半年間でも、1日で11元の違いがあった日もある。
    昨年7月21日の人民元の対米ドル2.1%切り上げ以降の対円の為替レートは、対ドルのそれを超える元高になっている。中国銀行の為替レートにおける円、米ドルの基準値を比較すると、
    2005年1月4日 (100円=8.0573元  1米ドル=8.2765元)
    2005年7月22日 (100円=7.3455元  1米ドル=8.11元 )
    2005年12月5日 (100円=6.6954元  1米ドル=8.0806元)
    2006年6月6日 (100円=7.1764元  1米ドル=8.0096元)
    である。
    2006年6月6日の為替レートを基準として、2005年1月4日のレートと比較すると、元は対円で11.0%増、対米ドルで3.2%増となり、2005年7月22日のレートとの比較では、元は対円で2.3%増、対米ドルで1.2%増となっている。
    昨年の1月から現在までの間、元は対ドルで3.2%の増加であったが、円に対してはその3倍の11.0%の増加となっている。また、円に対しては2005年12月5日が年当初2005年1月4日に対して、16.9%増となっている。
    円・元・米ドルの為替レートの変動は、貿易業務に大きな影響を与えている。以前は中国で加工製造し、日本に輸出していた中国進出日本メーカーの貿易実態が、対円の元高が対米ドルのそれより高くなってきたことにより、中国で加工製造し米国への輸出に振り向ける貿易に変化することも予想される。
    従前の人民元の為替レートは、米ドル固定であったが、現在は米ドル・円・ユーロなどの合せたバケット制により、為替レートを定めている。銀行によっては、1日に4回レートの変更がある。しかし、円と元の関係はやはり米ドルを中心として動いており、円と米ドルの動きがそのまま元と円の動きになっている。なお、上海市内の銀行で円から元への両替レートが一番よいといわれているのが、中国銀行である。
    いずれにしても、中国ビジネスにおける主要なリスクは、人的リスク、中国国内法における許認可のリスク及び為替リスクであり、これらのリスクに対応できる企業が、中国において発展することが出来るのである。

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