東南アジア駐在員報告
2014年12月 社会・時事
駐在員 ： 芦澤裕之
11月中旬にタイ (バンコク) の商業施設で行われ、本県も参加したＦＩＴ (個人旅行) トラベルフェアを視察するとともに、10月末に実施したファムトリップへの参加旅行会社へのセールスコールを行った。
日本政府観光局(ＪＮＴＯ)が先ごろ発表した推計値によれば、今年１月から10月までのタイからの訪日客は51万３千人、前年比48.2％増で、引き続き堅調な伸びを見せている。
タイにおいても、シンガポールなどと同様、訪日旅行市場は成熟しつつあり、ＦＩＴの割合が概ね７割となっている。ＦＩＴトラベルフェアでは、この層を対象に、ステージイベントや、各観光地のＰＲブース出展、旅行会社や航空会社による、航空券やホテル、鉄道パス、日帰りツアーの販売が行われた。会場には来場者が一杯で、満員電車のような混雑であった。
ＦＩＴ旅行者に人気があるのはジャパンレールパス(ＪＲパス)だ。ＪＲパスは、訪日外国人客を対象とした、ＪＲ各社の鉄道・路線バスが乗り降り自由で利用できる乗車券である。よく見かけるフェア来場者の行動は、まず自分の予定に合わせて航空券とＪＲパスを購入し、その後に行き先を決め、ホテルやＦＩＴ向けツアーを予約する。ＪＲパスは７日間使えるもので約４万円もするため、パス購入者はなるべくパスの適用範囲内で移動しようとする。
一方で、東京、名古屋などの大都市を拠点として、ホテルからの日帰りツアーにより各地を回ろうとする旅行者もいる。最近ではレンタカーを借りて国内を移動する猛者も増えてきている。
県などが展開する観光ブースに求められるのは、こうした旅行者に対する、的確な情報提供である。ＪＲパス購入者には新幹線やＪＲ駅からの移動が便利な観光地を、レンタカー利用者にはモデルコースを提案するなどである。
今後最も力を入れたいのが、東京、静岡などを拠点とした、一泊又は日帰りのＦＩＴ向けツアーの造成促進である。今回セールスコールを行った中にもＦＩＴに特化した旅行会社があり、静岡へのファムトリップを踏まえ、ＦＩＴ旅行者向けツアーの造成に取り組んでくれていた。当所では、こうした会社への継続的なプロモーションに努めていく。
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