中国駐在員報告



2012年6月 社会・時事
駐在員 : 野村芳一


    1949年、モスクワで国際民主婦人同盟の会議が開催され、全世界の児童の権利を守ることなどを目的にした「国際子どもの日」を6月1日とすることが決議された。このことから、社会主義国家では、6月1日を子供の日としている国が多く、中国もそのグループに入っている。
     こどもの日には、小学校では、午前中に学園祭のようなイベントが開かれ、午後は休みなので、玩具店はかき入れ時となる。
     さて、中国では十二支のうち、龍だけは想像上の神獣であり、辰年生まれの子供は、将来素晴らしいリーダーになるという言い伝えがあることから、辰年生まれのドラゴンベビーが欲しいと考えている人が多く、今年はベビーブームとなっている。
     アメリカAP通信の調査では、中国大陸部だけでなく、香港、マカオ、台湾などで、出産ラッシュを迎えるということだ。北京市の予測では、今年、新生児の出生率は去年より5%も増える見込みである。
    上海市によると、今年予想される出産数20万人に対して、現在の約23万の病床で対応できるとしているが、実際、上海の大型病院の産科や産科クリニックでは、前年を大きく上回る出産数を記録しており、病院によっては、年内の予約でいっぱいで、病院探しに苦労している人も多いという。
     このような出産ラッシュにより、中国の乳幼児用の紙おむつの販売量は去年より17%増の284億元の販売総額になる見込みという。今後、2012年生まれの子供が成長するごとに、各ライフステージでその市場を狙ったビジネスチャンスも生まれてくるとものと思われる。

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