中国駐在員報告
2010年9月 経済
駐在員 : 野村芳一
国家統計局上海調査隊は8月25日、上海市の不動産価格統計に関し、抽出調査に応じている不動産会社の回答が信頼できないことを理由に、当面データの公表を停止する方針を明らかにした。
調査対象企業の入れ替えや企業の担当社員への教育強化など改善策を講じる必要があるためで、年内の公表再開は難しい情勢だという。
また、上海の経済紙は、複数の銀行筋の話として、中国の不動産開発業者らがキャッシュフローの逼迫に直面しており、第4四半期から住宅の値下げを余儀なくされるだろうと報じた。
不動産開発業者らは、昨年の不動産ブーム時に大量の土地を購入したが、現在の規定では、土地を開発しないまま長期間保有することはできない等の理由により、今後、各社が住宅の供給を増やす公算が大きいと予想。その上で、銀行筋による、「おそらく住宅価格は早ければ第4四半期から明確な下落を示すだろう」との予測を紹介している。
一方、中国国家発展改革委員会は、26日の経済報告で、住宅価格の高騰について、これまでの対策の効果が出てきたとしながら、一部都市ではまだ高すぎるとして、「価格抑制策をさらに進め、投資・投機目的の購入を断固として抑える」と言明した。
また、既に中国銀行業監督管理委員会が、各銀行に対し主要都市で住宅価格が最大5割下落した場合の影響を調査するよう指示していることが分かっている。
北京の地元紙は、高級商品住宅市場が低迷しているとして、今年4月1日〜8月25日までに予約販売が行われた商品住宅のうち、販売価格が上位30位までの物件数は、供給面積の66.9%が売れ残っているという。物件別では、販売値格の高い物件ほど販売率が低い傾向にあると伝えた。
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