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中国駐在員報告
2000年4月 政治 駐在員 : 今村理一郎
依然大きい所得格差、深土川と西寧の差は1万5千元
昨年の1人当たり可処分所得が最も多かった都市は,深土川(シンセン)で、中国の都市としては初めて2万元を超えた。上位を沿海部の都市が独占する一方で、下位は東北部や中西部の都市に集中。最下位の西寧(青海省)とトップの深土川との差は1万5783元にも達しており、所得格差の是正が大きな課題であることを裏付ける結果となった。これは、全国の都市住民4万世帯を対象に調査を行った結果である。調査結果によると、昨年の1人当たり可処分所得は、前年比7.9%増の5854元で、伸び率は前年を2.8ポイント上回った。物価変動の要素を除いた実質では、9.3%増であった。
主要35都市平均の1人当たり可処分所得は7700元。トップは深土川の2万548元で、以下、広州(1万2326元)、上海(1万932元)、厦門(9626
元)、寧波(9492元)と沿海部に集中した。上海は,昨年初めて1万元を超えた。一方、下位5位は西寧(4765元)、哈爾浜(ハルピン)(5032元)、長春(5110元)、蘭州(5128元)、呼和浩特(フフホト)(5167元)と、多くの国有企業を抱えレイオフ圧力の高まる東北地方や、開発の遅れている中西部に多かった。
省・自治区・直轄市別の上位5位は上海(1万932元)、北京(9183元)、広東(9126元)、浙江(8428元)、天津(7650元)と、こちらも沿海部が独占している。一方、下位5位は山西(4343元)、寧夏(4473元)、甘粛(4475元)、吉林(4480元)、河南(4532元)で、トップの上海と最下位の山西との差は6589元に達した。また、東・中・西部の地区別では東部が7145元、中部が4837元、西部が5123元だった。
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