東南アジア駐在員報告
2005年6月 経済 駐在員 : 橋本 勝弘
インドネシアの二輪車市場の規模は、中国、インドに次ぐ第3位で、今年の二輪車販売台数は前年比20%増の500万台が見込まれている。ちなみに、日本国内の状況は、生産台数ベースで約190万台、販売台数ベースで約80万台となっている。
これまでの販売台数(出荷ベース)の状況を見ると、3月、4月、5月と3ヶ月連続で月間販売台数の記録を更新し、過去最高となっている。1月から5月までの累計では、前年同期比33.2%増の197万8,561台を記録している。
特に、上位3ブランドのシェアは、ホンダが104万2,917台と100万の大台を突破して52.7%、スズキが45万626台で22.8%、ヤマハが44万501台で22.3%と、僅差で続いている。ものづくり県静岡ブランドで97.8%とインドネシアの二輪車市場を席捲している。
こうした需要に対応するため、新工場の設立が続いている。アストラ・ホンダ・モーターは、約1億米ドル(約107億円)を投資して西ジャワ州ブカシMM2100工業団地内(*注1)に年産能力100万台の新工場を建設中で、年産能力を300万台に引き上げる計画で、今年半ばの完工、年末の試験生産を目指している。また、ヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチュリングは、約6,700万米ドル(約71億7千万円)を投資して西ジャワ州カラワンの国際工業団地内(*注2)に年産能力30万台の新工場を建設中で、今年8月の完工を予定している。二つの工場を併せて年産能力を07年までに180万台へと拡大する。
折しも、インドネシアと日本は、最近、自由貿易協定(FTA)の締結を目指した経済連携交渉を開始することで正式に合意した。今後一層、アセアン(東南アジア諸国連合)で最大の人口と国土面積を有するインドネシアとの関係が深まっていくものと思われるが、ものづくり県静岡ブランドの活躍が期待される。
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