台湾駐在員報告
2017年8月 行政 駐在員 : 宮崎悌三
台湾の司法院大法官会議(最高司法機関)は、今年5月、現行民法における「婚姻が男女間のみに認められる」としていることについて、「婚姻の自由と市民の平等を定めた憲法に違反する」との見解を示し、2年以内の法改正を命じた。仮に法改正が2年以内に終わらない場合には、証人がいれば婚姻登記が出来ることとなる。
蔡英文総統は、就任(2016年5月)の前より、同性婚の支持を表明しており、法制化を目指していたが、司法院大法官会議の今回の見解は、それを後押しすることになった。実現した場合には、同性婚を認めるアジア初の事例となる。
すでに、政府内には、同性婚法制化チームが発足し、各種規定の検討を行っており、改正民法は、男女間の婚姻の規定内容に沿う内容となる模様だ。
しかし、法案の改正を巡って、社会の基盤となる婚姻の在り方が根本から揺らぐことを危惧する反対派と賛成派の対立が深刻となっており、社会の溝が深まる様相を示している。
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