台湾駐在員報告
2021年5月 行政 駐在員 : 宮崎 悌三
ここ数年、台湾では慢性的な水不足となっている。特に冬季に雨が少ない中南部では深刻で、干上がってしまったダムもあるほどだ。
台湾当局によると、台湾における水使用量は、農業用71.6%、生活用18.9%、工業用9.5%となっている。工業分野では、世界の半導体工場としての位置を占める台湾には、多くの水道大口使用者が存在しており、世界にとっても台湾の水不足は深刻である。農業分野でも、マンゴー、茶、玉ねぎ等に大きな被害が出ており、被害総額は約4億元(約15億円)に上った。台湾中部や南部では、週2日給水を止めたり、水道の減圧、減量給水等の措置によって節水に努めており、各方面に大きな影響が出ている。
この状況に対し、台湾経済部(経済産業省に相当)は、短期及び長期的な対策として、1,625億元(約6,340億円)を投じて台湾域内の水を確保する方針を発表した。具体的には、地域間送水管設置、再生水工場や海水淡水化工場の建設、水道管漏水率低減・増強、地下水や河川伏流水の利用等である。
気象局予報では、梅雨の到来は5月下旬とのことだが、今年ほど梅雨が待ち遠しく思える年はないのではなかろうか。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|