ヨーロッパ駐在員報告
2002年12月 政治
駐在員 : 山口 幸博
オーストリア総選挙、現政権の続投か
- オーストリア国民議会(下院、定数183)の総選挙が11月24日に行われた。今回の選挙は、国民党と自由党の連立政権が、自由党の内紛により崩壊、議会解散となり実施されたものである。即日開票の結果、国民党が得票率を前回の26.9%から42.3%へと大幅に伸ばしたが、自由党は内紛問題が尾を引き、26.9%から10.2%へと大幅に後退した。
一方、野党の社会民主党は33.2%から36.9%、緑の党も7.4%から9.0%に、それぞれ支持を伸ばした。
今回の選挙戦の争点は、現政権が進めている行財政改革、景気対策、EUの東方拡大などであった。自由党の失った票の大半が国民党に移ったという調査結果もあることから、シュッセル現政権の政策が是認されたと見られている。
しかし、国民党単独では過半数に達しないため、国民党は連立相手を探さなければならない。EUの東方拡大に否定的なキャンペーンを広げて大敗した自由党とは、この問題についての方針が違うことから、シュッセル首相の今後の動向が注目されている。
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