6月29日、開発が進むマリナベイサウス地区に「Gardens by the Bay(湾岸の庭)」が開業した。昨年9月号にて建設中の視察報告をした同園は、シンガポール湾を埋め立てて造成されたマリナベイ地区で進められる新都心開発計画の一部を担う、約101haに及ぶ大規模植物庭園である。
庭園内には、異なる気象条件で植物を生育するための巨大恒温施設が2棟、高さ25〜50mのキノコ型構築物「Super Trees」が18棟建設され、その一部は全長280mの空中歩道「OCBC Sky Way」で結ばれている。
28日の開業記念式典において、リー・シェンロン首相は、「この庭園は建設費や商業価値で評価されるべきものではない。ニューヨークのセントラルパークやロンドンのハイドパークのように、シンガポールの貴重なオアシスとして評価されるべきものだ。」とコメントし、論争が巻き起こる中、101haもの広大な埋立地を経済効果の高い商業地区や住宅地区ではなく、敢えて経済効果の小さな植物庭園として開発を進めた意義を強調した。
百聞は一見に如かず。経済成長著しいシンガポールの現状を知りたい方は、総合リゾート施設として人気上昇中の「Marina Bay Sands」とこの「Gardens by the Bay」が並ぶ未来都市の姿を是非見に来ていただきたい。