台湾駐在員報告
2014年12月 行政 駐在員 : 宮崎悌三
台湾の人口2千3百万人のうち、年間に海外へ渡航する人の割合は、約47%(2013年。同年の日本の海外渡航率は、約14%)というから、大体2人に1人は、毎年海外へ渡航していることになる。さらに、昨年の台湾からの訪日者数は、約221万人であるが、大雑把に言えば、台湾の方の10人に1人は、日本を訪れていることになる。それほど海外旅行好きの台湾の方だから、海外の旅行情報の収集ができ、さらには、旅行商品が値引き販売される旅行博には、自ずと多くの方が来場することとなる。
台湾の各地で盛んに開催される旅行博であるが、その中でも最大の旅行博が11月7日から10日の4日間、台北市内で開催され、延べ33万7千人余りの入場者が訪れ、人出で通路が埋まり、まっすぐ歩けないほどの賑わいを見せた。
台湾の方にとって渡航先として人気がある日本は、ゾーンが設けられるほど多くのブース参加があるが、近年の特徴となっているのは、広域の枠組みで観光の魅力を伝え、台湾からの誘客に結び付けようとする取組みである。例えば、東北6県、中部(東海・北陸などの県が共同で取組む“昇龍道“)、山陰・山陽、九州などは、周遊型の旅行プランの提案などを、積極的に行っている。
静岡県関係でも、県内の市町や静岡市・浜松市など、おのおのブースを構え、入場者に直接、観光の魅力を伝えた。来年「家康公400年祭」を控えた家康公と縁の深い静岡市、浜松市、愛知県岡崎市が共同で家康関連の情報を発信したほか、静岡県東部地域コンベンションビューロー(会員7市4町)、さらに今年度、伊豆半島を中心に台湾からの誘客に取組む市町連携の枠組み(参加市町:熱海市、伊東市、東伊豆町、河津町、下田市、松崎町、西伊豆町、伊豆の国市、長泉町、吉田町(順不同))による参加など、多彩な顔ぶれが揃ったことにも日本全体と共通の特徴が見て取れる。
上にも述べたとおり、台湾の旅行博の特徴は、観光情報の発信に留まらず、旅行商品が購入できることにある。静岡県関係のブースにおいても、富士山静岡空港往復利用かつ静岡県内だけを周遊する旅行商品が旅行博限定価格で販売され、ブースで商品の説明を聞いた来場者が、早速旅行商品の申し込みをする姿も見られた。
台湾からの静岡県内宿泊者数は、平成24年と25年との比較では、1.86倍に伸びているが、親日的な台湾の方にさらに静岡県を来ていただけるようこれからも県内関係者と共に取組んでいきたいと考えている。
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