中国駐在員報告
1999年4月 その他 駐在員 : 今村 理一郎
・大学生も就職難
今年、上海の大学卒業予定者は深刻な就職難に直面している。各大学の就職担当部門によれば、3月末までの各大学の就職確定率は40%未満である。今年の全国の大学卒業予定者数は、110 万人とこれまでの記録を更新し、そのうち上海では4万5千人に上っている。大学のキャンパスでは、就職を希望する学生は6月の卒業を前に最も忙しく、各種の人材募集説明会に奔走している。
上海交通大学卒業生就職指導弁公室によれば、同大学の不動産業経営管理や秘書学を専攻する学生で就職が確定したのは1人もいない。旅行管理、渉外会計等専攻の学生の確定率も6%〜7%である。@大学卒業者総数の増加、A国有企業のリストラによる求人減少、B中央・地方政府機関の行革による公務員採用数の削減、Cアジア金融危機による外資系企業の撤退による新規採用減など就職に不利な条件が重なったことが原因である。
しかし、上海の大学生の就職難には、このほかにも事情がある。一つは、上海以外の大学の卒業生でも上海での就職を希望する者が多いこと、二つには、上海以外の出身者でも上海の大学を卒業して郷里に帰らず上海での就職を希望するものが多いこと、第三には、今年から大学を卒業して上海に就職すれば上海戸籍が得られるようになったこと(この上海戸籍を得ることは相当の魅力らしい)、第四に大学卒業生の就職希望が情報・貿易関連の外資系有名企業などに偏っていることである。
(注)中国の学校は、入学が9月、卒業が6月と、欧米と同様である。
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