中国駐在員報告
2018年6月 社会・時事 駐在員 : 石井 亘
5月10日は「中国ブランドデー」である。「中国ブランドデー」は2014年に中央政府が提唱した“製造から創出へ” “製造のスピードから製造のクオリティへ”“中国産製品から中国ブランドへ”というスローガンの下、世界で良く知られる中国ブランドを新たに創り出そうとする取組みである。2014年当時は中国人による海外旅行先での買い物ブーム(いわゆる「爆買い」)が話題になっていたが、自国ブランドを育成することで、海外での高額品購入による資本流失の防止や自国製品の消費拡大促進などの狙いがあったとされている。
中央政府は2017年に毎年5月10日を「中国ブランドデー」とすることを決定し、今年5月10日から12日まで第一回となる中国ブランド博覧会が上海市展覧センターで開催された。
今回、“中国ブランドを世界で共有”を開催テーマに、中国国内の企業、全国の省・市により様々な展示や催事が開催された。例えば上海市は日本でもお土産として良く知られているミルクキャンディー“大白兎(ホワイトラビット)”を生産する「上海冠生園食品有限公司」、月餅が有名な老舗広東料理店である「杏花楼」、華東地区の大手乳製品メーカーである「光明」など、市内に所在する企業の有名な商品を出展し人気を博した。
国営テレビ局である中国中央電子台も中国ブランドの創造と付加価値向上のため、企業と連携して集中的にコマーシャルを放映するなど、積極的に取組みを後押ししている。中央政府によるこの取組みは始まったばかりであるが、短期間でブランド力の創造に成功した企業もあることから、継続して中国ブランド創造のための施策を実施する計画である。
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