台湾駐在員報告
2015年7月 社会・時事 駐在員 : 内藤晴仁
台湾の気候は亜熱帯に属し、長い夏と短い冬が特徴で、特に夏はかなり蒸し暑い。例年5月頃に梅雨に入り、初夏、夏至を過ぎた6月頃から9月にかけて盛夏となるのが通常である。しかしながら、今年の盛夏は例年より少し早く訪れているようである。
台湾交通部中央気象局(日本の気象庁に相当)は、6月の台北市の平均気温が30度、最高気温は37.1度を記録する猛暑日があったと発表した。これは、前年同月の平均気温と比べ2度以上も高い記録である。また、2010年以降、台北市では6月に37度以上を記録した日はなく、6月の台北市はいち早く盛夏が訪れたかのような気候であった。
島の中央部を北回帰線が横切る台湾は太陽の日差しが強く、日中の気温も高くなる傾向にあるが、それにしても6月の気温の高さは異常であったとの声をよく耳にする。事実、中央気象局は、暑さをもたらす太平洋高気圧が6月は例年以上に強い勢力を保ちながら、台湾全土を覆うようにして発達したこと、そしてこのことが6月の猛暑日をもたらした主な原因であるとの見解を示している。
台湾南部に位置する高雄市や台東市、屏東県等でも、台北市と同様な記録的な猛暑日が続いている。中でも、台湾南東部に位置する台東県大武では、平均気温が38度を超える日が4日も続く等、厳しい暑さとなっている。
これに伴い、各地では熱中症等の症状を訴える方も増加している。
台湾衛生福利部国民健康署は、熱中症等の急診患者数が昨年同期より大幅に増加しているとして、熱中症対策の3要件である「涼しさを保つこと、水分を多めに取ること、暑さへの警戒を怠らないこと」を人々に呼びかけ、常日頃から熱中症対策に努めるよう促している。
日中の猛暑を避けるためか、家の近所の公園等では、涼しい早朝や夕方・夜の時間帯にジョギングをしたり体操や踊りをしたりする人もいる。身体を動かす運動等は日中に行うと熱中症を引き起こす危険性も高く、涼しくなる夜間に行うほうが身体への負担も少ないためであろう。
7月は本格的な盛夏を迎える。南国の暑さと上手に付き合いながら、長く暑い夏を乗り切っていきたい。
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