台湾駐在員報告
2014年11月 行政 駐在員 : 宮崎悌三
台北市は周囲が山に囲まれている盆地地形である。盆地の西側には南から北に向かって流れる淡水河、また北側には東から西に向かって流れる基隆河があり、盆地の北側に聳える火山(陽明山)を避けるように北西でそれぞれの河が交わってさらに北に向かうあたり、陽明山の西麓に北投温泉がある。日本が台湾を統治していた時代から温泉場として知られていたが、今も多くのホテル・旅館が立ち並び、辺りにはかすかな硫黄のにおいが漂う。台北市の中心部からMRTでわずか30分余りの場所ではあるが、街中とは異なる雰囲気に包まれる。
毎年10月、この北投温泉で恒例の「台北温泉まつり」が行われる。今年は、台北市と観光交流拡大の協定や覚書を交わした日本の都市等から多くの温泉が参加し、約30のブースを出展し、音楽や文化関連のイベントでそれぞれのPRを行った。
ひときわ大きな団を送り込んできたのは、松山市の道後温泉である。台北市内に松山区という区があることから、同じ名前同士で交流しようと、日本と台湾の松山空港同士を結んだチャーター便で訪台。道後温泉のPRを昨年に引続き行っていた。
また、牡丹の花の産地として台北市と交流を続けてきた松江市から、玉造温泉も第3回目となる温泉まつりに参加。これも出雲空港からのチャーター便で台湾入りし、地元のPRに専念していた。
静岡県からは、昨年に引続き浜松市の舘山寺温泉がPRを行ったほか、ゲストとして、伊豆半島の6つの市町(伊東市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、西伊豆町、伊豆の国市)の市長・町長が台北市に招かれ、イベントに参加した。
この種のイベントでは、毎回、北海道から沖縄まで日本全国各地からいろいろな自治体、観光協会の方に出会う。ごく最近だけでも、秋田県、山形県、山口県、富山県、沖縄県、大阪府、千葉県、三重県などの関係者が台湾を訪れており、知事自ら台湾の方々に接し、アピールする姿を目にする。
地方自治体それぞれが、震災以降、親日的な台湾から一人でも多くの方に観光に来ていただくこと、台湾の方に一つでも多くの地元の農水産品を購入していただくことに躍起になっている。働きかければ成果が現れ、決して裏切らないという台湾市場への信頼の下、日本の地方自治体同士が、台湾で鎬を削っている。
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