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韓国駐在員報告2012年8月 行政 2011年度に本県と交流・協力を推進する覚書を締結し、今年度の友好協定締結を目指している韓国忠清南道の現在の道庁舎は、KTX(韓国高速鉄道)でソウルを出発して南へ1時間(160q)、大田(テジョン)駅を降りて、西へ向かう直線道路に沿って徒歩15分(1.4q)の地に威風堂々とそびえている。正面玄関を入ると頑強な石作りでやや古びた、幾多の星霜を経た歴史を感じさせる重厚堅牢なホールが訪問者を厳かに迎えてくれる。
朝鮮戦争勃発直後の1950年6月27日から韓国の政府機能が停止した際には、短期間、臨時中央庁として使用された。2007年韓国登録文化財第18号登録。 現在の忠清南道庁舎 1階正面ホール この歴史的建築物を使用する忠清南道政府は、1992年に道庁所在地移転検討の手続きを開始し、2006年に移転予定地を決定した。 理由は、大田広域市は忠清南道ではないからである。 この動きは、国土の均衡発展を目指す国の政策と密接に関連している。1988年12月に制定された「大田直轄市設置に関する法律」により、1989年1月に大田直轄市は忠清南道から分離した。(1994年に大田広域市と名称変更) 忠清南道は、当初は朴正煕大統領や盧武鉉大統領により首都そのものの移転候補地となった。この動きに反対するソウル市民等の提訴で、国民投票を経ない首都移転は不文憲法に違反するとの違憲判決により、行政中心複合都市の建設に変更した。最終的には現在の李明博大統領の下、新行政都市建設計画が実施され、今年7月1日に忠清南道燕岐郡、公州市、忠清北道清原郡の一部が分離して「世宗(セジョン)特別自治市」が誕生し、2030年までに50万人の新都市建設を目指している。この動きを追うように、忠清南道庁も移転する。 移転予定地は、内海(ネポ)と呼ばれる地域であり、大田から直線距離で約70q北西にある広大な農村地帯である。黄海の海岸まではわずか10q、世界遺産・泰山のある中国泰安市と友好関係にある泰安(テアン)郡と隣接している。本年中に知事・議長を始めとする忠清南道の主要機能が移転し、2020年には新都市建設が完了する予定である。 【忠清南道新庁舎建設計画】
内浦に建設中の住宅棟 新道庁舎(2012年) |
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