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台湾駐在員報告

2015年12月 政治
駐在員 : 宮崎悌三


11月7日、台湾の馬英九 総統と中国の習近平 国家主席が、シンガポールにおいて、中台首脳会談を行った。中台が分断(1949年)してから70年近く経て初めて実現したものであるが、日本政府はことの成り行きを静観する姿勢だった。一方、多くの日本人は、中国と一緒になるのかならないのか、台湾の行く末に関心を持ったのではなかろうか。

この会談を、台湾では馬総統と習国家主席の姓を取って「馬習会」と称して新聞やテレビなどが盛んに報道した。支持率が低迷する馬総統が、残り少なくなった任期の中で最後に歴史に名を残す暴挙に出た、あるいは台湾を中国に売ったとして非難する論調もあったが、台湾の人々は至って冷静に見ていたように感じる。

国民党政権となってこの8年間、確かに台湾当局は何度も中国との対話を探って来た。首脳会談が実現困難な状況であっても、国民党の重鎮が中国の首脳や上層部と対話を重ねて来た。馬総統の任期も僅かなこの時期に首脳会談が実現できたのは、多くの分析のとおり、2016年1月16日の総統及び立法院(国会に相当)の同時選挙日を控えている台湾に対する中国の牽制と考えることもできる。

しかし、首脳会談後も台湾の世論は一貫して、混乱を極めている与党国民党候補ではなく野党民進党候補を次期総統として支持する率が高く、立法院も野党の過半数超えも見えそうな勢いである。台湾の人々の半数以上は、支持政党に関わらず中台の現状維持を望んでいる。どのような政権となっても、独立や統一など現状を急激に変えようとする政権運営によって、台湾が混乱することは、中台関係の安定に負の影響をもたらすと考える台湾の人が多いということの証でもある。台湾の人々は、中台の微妙なバランス維持を最も上手く仕切れる人を指導者として迎え入れるだろう。

2015年1月から9月の期間において、中国が台湾から輸入した台湾製の電子部品は他国を抜いて第1位であった。米経済誌フォーブスによると、対中国依存度ランキングでは台湾はオーストラリアに次ぐ世界第2位とのことである。また、中国から台湾を訪れる観光客は、日本より遥かに多く断トツである。このように中国との関係は、今や広く深く台湾社会全体に影響を及ぼしている。

台湾経済界に長くおられた方の次のコメントが、現在の中台関係を良く説明している。曰く、今回の中台首脳会談の意義は、中国側が台湾の次期政権の首脳との直接対話の前例を作り危機回避に備えたことにある。


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