中国駐在員報告
2016年12月 行政 駐在員 : 石井亘
中国では、日本と同様に社会の高齢化が急速に進んでおり、高齢者に対する介護、医療等には高い関心が寄せられている。中央政府はもとより、地方政府でも高齢化問題に対しての施策検討が進められている。
浙江省は、民政庁が中心となり、11月10日から12日にかけて、杭州市内で「第5回浙江国際養老サービス業博覧会」を開催し、本県からも健康福祉部が参加した。博覧会に併せて高齢者福祉や介護問題をテーマとした討論会も開催され、県担当者が「静岡県の高齢化と介護の概況」、「介護保険制度の概要」及び「介護サービス事業の概要」について説明した。
中国では、高齢化が進む一方で、高齢者に対する支援施策や保険制度の整備が遅れていることから、北欧や日本といった高齢化対策の先進国を研究し、自国に合った形で取り入れようとしており、討論会に参加をした関係者や専門家は、県担当者の説明を熱心に聞いていた。
中国は、施策や制度面では遅れているものの、従来から高齢者の社会参加が盛んであり、定年後も様々な団体や組織に加わり、充実した老後を送っている人も多い。今回、博覧会に合わせ、省が運営をしている「浙江老齢文芸大学」(歌唱、舞踊等の余暇活動の教室)を視察したが、視察団を歓迎するために様々な出し物を披露していただき、感動を覚えた。活動を支える講師や施設も大変充実している。この点は日本も学ぶべきではないかと思う。
博覧会には、日本貿易振興機構(JETRO)上海事務所が日本ブースを設置し、日本企業も出展をしていた。当事務所としては、来年度以降、同機構と協力し、企業出展について検討をしていく。
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