中国駐在員報告
2022年3月 経済 駐在員 : 浅原 敏治
コロナ禍で日本国内での外食や土産品向けの食品の需要が落ち込む中、中国に新たな市場を獲得しようと、全農(上海)貿易有限公司(全農グループの中国の現地法人)は、上海市と江蘇省蘇州市の日系スーパーマーケットに専用のコーナーを設け、日本産の米や調味料、飲料などを展示販売している。このコーナーには日本の農業風景を流すモニターも設置されている。
昨年12月からこのコーナーの展示品にJAわかやまのジンジャーエール「生姜丸しぼり」が加わった。この商品は、プレーン味のほか、ほんのりと甘い味がする桃味やすっきりとした味わいの梅味もある。全農上海では昨今の低アルコール酒の人気を活かそうと、焼酎やウイスキーで割った飲み方も販促キャンペーンなどで紹介している。全農(上海)貿易有限公司の辻野智彦董事長に伺ったところ、「生姜丸しぼり」の評判はよいとのことであった。また、日本の農産物をジュースに加工したものは中国に輸出できる可能性が高いので、静岡県の農産物を加工して作られた飲料を中国に輸出してはいかがかと勧められた。
昨年11月の中国国際輸入博覧会で静岡県産みかんのジュースは来場者に好評だった。収穫したみかんをすぐに搾らず、貯蔵し、一番おいしくなった時期に搾るという大変手間のかかった製造工程を経て生産された商品で、静岡県が誇る「ものづくり」による高品質商品であり、現在、いくつかの商社と商談が進められている。この商品のように本県が誇る技術で作られた農産物加工飲料等、中国での販売を検討している商品があれば、当事務所に御相談い
ただきたい。
全農上海は、生姜丸しぼりを2月14日の情人節(中国のバレンタインデー)の贈答品として紹介するキャンペーンを同社のSNSで行った。来年の情人節に静岡県の飲料も紹介できれば素晴らしい。
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