ここから本文です。
東南アジア駐在員報告2020年10月 社会・時事 本年9月、タイの首都バンコクで大規模な反政府デモが発生した。学生グループが主催したデモにプラユット現政権に反対するグループなども加わって、19日には約5万人が集会に参加し、2014年のクーデター以降、最大規模のデモになったと地元メディアは報じた。タイ国内には、静岡県から進出した企業が130社以上あり、東南アジアでは最大規模のため、新型コロナウイルスに加えてデモの発生によって企業活動が停滞することが懸念された。企業関係者にお話を伺ったところ、現在のところ直接的な影響はない、とのことであった。デモは局所的でビジネスエリアや工業地域では行われていないことや学生が中心で、2014年当時のように、職場で支持するグループに分かれて争うという状況にはなっていない、とのことであった。ただし、学生たちは、憲法の改正や軍政の流れをくむ現政権の退陣と共に、王室の改革を求めている。これは過去に起きたデモには無かったことであり、2016年の即位以降、王室財産を個人名義に変更したり、別荘があるドイツで過ごすことが多いと報道されているワチラロンコン国王から国民の支持が離れている兆しと見られている。今後どのように発展するか注意深く見守る必要がある。 |
お問い合わせ