中国駐在員報告
2000年6月 その他 駐在員 : 今村理一郎
浦西と浦東の橋とトンネル無料化
上海は、黄浦江により浦西(プーシー)と浦東(プートン)に分けられている。浦西は、当事務所のある旧市街地で、浦東は,上海の名所外灘(ワイタン)から黄浦江を隔てて対岸に見えるところである。浦東は、10年前までは農村地帯(上海の台所といわれていた)で、522平方キロ(静岡県の約13分の1)の平地が未開発のままで残されていた。江沢民主席が上海市長の時に、浦東開発画が立てられ(現在の堺屋経済企画庁長官や静岡総研の竹内理事長も計画作りに関わっていたということである)計画にしたがって開発が進められた結果、現在、浦東新区で設立を認められた外資系企業は、今年4月末までの累計で6,120社に達しており、その投資総額は302億3,300万米ドル、約3兆円、世界のトップ500社のうち144社が進出している。また、国内企業も5,300社が浦東に進出、その投資総額は約500億元、6,500億円に上っている。
一方、開発前の浦西と浦東の往来は、1970年代に造られたトンネル(打浦路隧道)以外には、フェリーが唯一の手段であったが、開発が進み,今では4つの橋(南浦大橋、徐浦大橋、揚浦大橋、奉浦大橋)と一つのトンネル(延安東路隧道)が新たに建設され、外灘から見る風景は一変した。
しかし、橋やトンネルを自動車で往来すると、通行料が15元かかり、バス料金も通常料金に比べ2角高く、市民から浦東は敬遠され気味であった。そこで市政府は、浦東開発を一層促進させる切り札として、5月1日よりこの通行料徴収を廃止し、その結果通行量は確実に増えたが、朝晩のラッシュ時は、渋滞が慢性化してきている。これは、浦東側の道路は広く、かなりの通行量でもさばけるが、浦西側の浦東との接点の道路整備がまだ十分でないため、通行量の増大に、橋、トンネルのキャパシティが対応できていないことが原因と考えられる。
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