中国駐在員報告
2019年10月 政治 駐在員 : 石井 亘
上海浦東空港の新ターミナルが9月16日に供用開始された。H形をした新ターミナルビルの名称は「ターミナルS1、ターミナルS2」。従前のターミナルT1、ターミナルT2との間は約700メートル離れているが、地下鉄を利用すれば2分30秒で移動できる。
新ターミナルには90のボーディングブリッジと125のエプロン(航空機停留区域)が備わっている。これにより、従前は発着便の約50%がターミナルビルからエプロンまでシャトルバスを利用して搭乗しなければならなかったが、新ターミナル供用後は90%以上がターミナルビルからボーディングブリッジを使っての直接搭乗が可能となった。
ターミナルは航空会社毎に割り当てとなり、S1、T1は中国東方航空及びスカイチーム加盟航空会社、S2、T2は中国国際航空、中国南方航空、スターアライアンス加盟航空会社及びワンワールド加盟航空会社が利用する。今回の拡張により最大利用者数はそれまでの7,400万人/年から8,000万人/年に増加した。
上海市内には市中心部にも上海虹橋空港があり、2018年の2つの空港を合計した年間利用者数は1億1,700万人を超えており、上海市はロンドン地域、ニューヨーク地域、東京及び成田、アトランタ地域に次ぐ世界第5位の空港ハブである。現在、虹橋空港でもサテライトターミナルを建設しており、上海での航空便利用者需要への対応を図っている。
これまで、浦東空港に関しては、混雑時の搭乗手続きや着陸してからターミナルビルに到着するまでの時間が長くかかるなどといったマイナスの印象があるが、新ターミナル完成により、これらの面が改善されることを期待したい。
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