中国駐在員報告
2008年8月 経済
駐在員 : 若田部 孝
上海市内でもオリンピック競技が開催
〜日本サッカーチームはどこまで勝ち上がるか〜
空を見上げると吸い込まれそうな青空に白く輝く雲が棚引き、夏の暑い日差しが上海市内に降り注いでいる。目の前には街路樹のプラタナスの葉の茂みが涼しげに揺れ、上海体育館に続く歩道のフェンス沿いには、白やピンクや赤の鮮やかな夾竹桃(そうちくとう)の可憐な花が咲き誇り、上海の夏を満喫できる。そこを過ぎると、市内で、通称、「八万人体育館」と呼ばれている巨大なスタジアムが姿を現してくる。
ここ上海体育館は、上海市内きっての商業ゾーン、徐家汇(シュージャーホイ)から地下鉄で1駅の場所に位置する。オリンピックの開催が近づくにつれ、
市内各所では北京オリンピックの広告が目立ってきている。
北京市外で行われるオリンピック競技は、サッカー、ヨット、乗馬などで、開催地も上海、天津、青島、香港などで行われるが、北京市内と違い、上海市内では、いま一つ盛り上がりに欠けるようだ。
そんな気がしたので、開幕まであと2週間となった7月下旬の日曜日に、散歩がてら、上海体育館に来た。すると、今まで見なれた灰色一色のコンクリート張りの無骨な体育館は、色鮮やかな北京オリンピックのイメージキャラクターが張られ、体育館の敷地内の他の建築物もすっかりお色直しが済み、オリンピック競技種目の施設としての雰囲気と風格に包まれていた。
しかし、6月23日の上海市公安局の発表によると、五輪競技会場である上海体育館への襲撃を計画していた国際テロ組織が摘発されたという。そのため、上海市公安当局は、同20日から会場周辺にロープを張り、会場を全面閉鎖している。また体育館へ通じる全ての入り口には、パトカーや白バイが配備され、周辺の交差点にも警察官等が多数動員され、厳重な警戒がなされている。
それらの物々しい警戒地域の中で、会場の外から内部を覗いて見ると、入場客用のセキュリティチェック用のテントなどが多数張られ、真新しい入場者用の案内看板なども設置され、開会本番の準備が、整ったようである。それらのテントを一部利用し、サッカー競技の入場券の最終販売が行われ、大勢の購入希望者で溢れていた。
気になる日本サッカーチームの試合であるが、男子はBグループに属し、予選は残念ながら3試合とも天津と瀋陽であるが、女子はGグループに属し、2試合が河北省の秦皇島、1試合が上海である。そして決勝トーナメントの準々決勝は、8月15日に女子が、8月16日には男子が、上海、北京を含む4会場で行われる。そして、男子は、8月19日の準決勝を上海と北京で行い、その敗者同士の3位決定戦が、22日に上海で行われ、決勝は北京となる。なお、女子も準決勝は、上海で行なわれると地元情報誌に掲載されていた。
日本サッカーチームがオリンピックの試合を勝ち進めば、日本人の短期滞在者数では世界有数の上海市で、五輪開催中は特に上海体育館の周りが、日本人であふれそうな予感がする。静岡県人会の事務局を勤めている当事務所としては、ぜひそうなってもらい、さらに静岡県出身の選手が大活躍することを願っている。
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