中国駐在員報告



2008年10月 経済
駐在員 : 若田部 孝


上海市の新名所「上海環球金融中心展望台」がオープン
 〜世界一の高さの展望台からの眺めは世界一〜

 
 2008年8月30日に開業した「上海環球金融中心展望台」(日本名は、「上海ワールド・ファイナンス・センター」であり、地元では、通称、「森ビル」と呼ばれている。以下、「森ビル」という。)は、94階、97階、100階にそれぞれ展望台を有しており、その100階の展望台の高さは474mで世界最高の高さとなった。現時点の第2位は、これまで第1位だった高さ447mのカナダのCNテレビ塔である。
  上海市の浦東新区には、アジアで一番高いテレビ塔である東方明珠や複合ビルである金茂ビルなど、観光名所になっている超高層建築物が建ち並び、黄浦江の対岸にある外灘の旧租界時代の歴史的な石造建築物と対照的な風景を醸し出している。
 上海市内の観光コースでは、高さ350mの東方明珠の展望台か高さ340mの金茂ビルの88階にある展望台に昇り、上海市内を眺望するのが定番となっていた。その定番コースが、今、大きく変わろうとしている。
 森ビルの展望台からの眺めは、やはり最上階の100階からの眺めが最高である。その最高の眺め方には2種類あり、1つ目は、近隣の高層ビルの中で群を抜く高さを誇る東方明珠と金茂ビルが眼前に2つ並び、しかも眼下に見下ろせるという光景は、初めて見る者にとって度肝を抜く眺めである。  2つ目は、100階と97階の間は吹き抜けのように中空になっており、さらに100階の展望台の床は2重構造の強化ガラスになっている部分があるため、足もとから474mの真下の景色も見える仕組みとなっており、高所恐怖症の人にとって、非常にスリリングな展望台となっている。
 また、この展望台での参観者の記念撮影は、ガラス張りの床と人を被写体にしようとするため、被写体の人のポーズが、とてもユーモラスに見えて面白い。
 気になる各ビル展望台の入場料金は、森ビルが展望台の高さによって150〜100人民元(日本円で約2,400円〜約1,600円)であり、同じく東方明珠は100〜50人民元(日本円で約1,600円〜約800円)であり、金茂ビルが70人民元(日本円で約1,120円)となっている。個人的には、どの展望台のコストパーフォーマンスも甲乙つけがたいと思うが、一般的には超ド級の迫力ある眺望を有する森ビルに軍配が上がりそうである。
中国では、9月15日(月)は、中秋節の祝日であり3連休の最終日であったが、この日、森ビルの展望台に行った時の待ち時間は、切符を買うまでが約1時間、97階の展望台から100階の展望台に行くエレベータを待つ時間が約1時間と、都合2時間近く並んだことを思うと、連休などの混雑が予想される時期の参観には、十分な時間の余裕が必要である。
なお、森ビルと金茂ビルは、道路を挟んで真向かいに位置し、下層階がオフィオスビル、中層階以上がホテルで、最上階が展望台となっているため、両ビルの建築コンセプトは同一である。同じコンセプトのビルが、真横にできるということが中国的な発想であるが、中国のマスコミの報道によると、世界最高の高さの森ビルの隣接地に、さらに580mの高さの複合ビルの建設の許可が下りたという。いったい、上海市浦東地区の超高層ビルの建設競争はいつまで続くのであろうか。上海の住人にとっては、とても楽しみな状況である。

注1 森ビルのホテル部分の最上階にある客室の高さは世界一である。
  これまでの世界一は、金茂ビルのホテル客室であった。
注2 各施設の展望台の料金は、2008年9月24日(水)現在のものである。
  各種割引制度の実施や、時期によってはディスカウント・チケットの販売もあるため、各展望台の料金は、変動する場合がある。
注3 森ビル展望台の入場券には、当庁者のデータ(入場日時、累積入場者数)が自動的に記載される。この原稿作成のために入場したのは、
  2008年9月23日(火)であり、8月30日の開業から数えて、私は、128,425人目の入場者となった。

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