東南アジア駐在員報告
2023年6月 社会・時事 駐在員 : 竹田 敏彦
シンガポール統計局が発表した2022年の家計所得に関する報告書によると、世帯所得の中央値は月額10,099ドル(約100万円)と、日本の世帯所得中央値である月額36万円強(2021年調査)の3倍近い水準となっている。
所得階層別にみた前年比較では、上位10%の最高所得者層を除き、すべての階層で前年よりも収入が増加している。特に最低所得層は10.1%と最大の伸び率を示しており、持てる者と持たざる者との格差が縮まっている。この数字を証明するかのように、所得の不平等さを示すジニ係数は2021年の0.444から0.437へ低下した。ジニ係数は1に近いほど所得格差が大きいことを示すため、数字の低下は国内の格差が減少していることをあらわす。
不確実性の高い世界経済下において、国内の所得格差を是正しながら、国民が豊かになっているシンガポールが羨ましい。
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