中国駐在員報告
2016年8月 社会・時事
駐在員 : 石井亘
9月4日、5日の主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)開催まで残り1か月となった。会場となる浙江省杭州市及び周辺都市では、開催に向けた各種準備が進められている。
トルコでの軍事クーデター未遂やフランス、ドイツでテロが勃発している状況下、サミット開催中にどのように安全を確保するかは、中国当局にとって大きな課題である。杭州市内の警備重点地区には、モニター画面中の一人一人の顔を識別できる監視カメラのシステムが導入された。当システムは、既に広東省公安庁などで利用されており、犯罪容疑者の検挙にも寄与しているが、関係者はサミットでも同様の効果を期待している。また、人の出入りが多く警備面で問題となるホテルについては、従業員の身分証の確認徹底や偽造身分証による宿泊の防止を、警察が重点的に指導している。その他、杭州蕭山(しょうざん)国際空港、杭州駅、杭州東駅では、安全検査が強化されたほか、杭州市の地下鉄1号線の一部の駅では、乗客の身分証をチェックする頻度が引き上げられた。
サミットの開催に合わせて、杭州市政府は、各国代表団の到着・出発のスケジュールを保証するという理由から、国務院と浙江省政府の承認の下、週休日を振り替え、9月1日から7日まで、市内の多くの地域を休日とする。警察や医療、報道などを除き、行政機関は休みになり、企業も休業するように要請されている。また、浙江省と省内11都市により、杭州市民を対象にした旅行奨励キャンペーンが行われている。杭州市民の身分証を提示することで、ホテルや観光スポットの入場が割引されるなどの優遇策により、杭州市民がサミット期間中に市外に出ることが奨励されている。
サミットの準備のため、杭州市内の多くの場所では道路工事が行われており、交通規制が突然実施されることもあることから、事務所ではサミットに関する最新情報を収集するように心がけている。
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