中国駐在員報告
2021年3月 社会・時事
駐在員 ： 浅原 敏治
中国ニュースサイトの中国新聞網は、上海市商務委員会がこのほど発表した市内主要小売企業390社の春節連休期間（11日〜17日）中の売上高が前年比2.2倍の76.1億元（約1,239億円）であったと報じた。また、大型商業施設のほか、ユニクロやセフォラ（スキンケア化粧品）といった小売チェーン大手の売上高も前年比２倍以上の伸びを示し、昨年の新型コロナウイルス感染症による消費の落ち込みからの大幅な回復が顕著となった。これは新型コロナウイルス感染症の発生前の一昨年の春節連休と比較しても1.15倍となっている。
上海市内の人出の状況としては、市内48の大型商業施設の来場者は、前年比3.3倍の343.3万人に達し、大手47社が運営する映画館では520万人と一昨年の1.2倍となった。一昨年との比較においても増加している理由として、今年の春節連休は、海外への渡航制限や市外への移動自粛で多くの市民が市内に留まり、旅行に充てる予定だった予算を市内での消費に振り向けられたことが要因と報じられている。
私も春節連休中に外灘などの観光地に行ったところ、人出が多く、特にお年寄りを観光案内している家族連れを良く見かけた。上海の知人によれば、省を跨ぐ移動をした場合、帰宅後に２週間の自宅待機をしなければならないが、それでも春節を家族と過ごしたいと考えるお年寄りが、上海に住む自分の子供に会いに来ているのだろう、とのことであった。中国人の家族の絆の強さが感じられた。
春節連休中、上海の観光地では警察官等による検温や健康コード確認がしっかりと行われていた。市中感染者はこの春節連休中は出ていない。
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