中国駐在員報告
2017年8月 行政 駐在員 : 石井亘
7月12日、上海市、浙江省と同省嘉興(かこう)市は、上海市西部に位置する松江区と隣接する嘉興市、浙江省の3地域に跨がった技術革新、起業及び産学協同推進を目的とする「滬嘉杭(こかこう)G60科学創業地帯建設戦略提携協議」に調印した。「滬」は上海市の別称、「杭」は浙江省の省都である杭州市を意味し、「G60」はこの3地域間を通行している高速道路の略称である。調印には韓正(かん・せい)上海市書記、應勇(おう・ゆう)上海市長、車俊(しゃ・しゅん)浙江省書記や松江区関係者が参加した。
同協議は、中央政府が昨年発表した「中国製造2025」(2025年までに中国の製造業を世界的な水準に引き上げ、技術大国となる)とも合致した施策であり、先進的な製造業の誘致、情報技術センター建設が予定されている。また、異なる行政区域に跨がった地域戦略の先進事例となることも期待されている。
今後、3省市は、通信技術関連のハイテク産業、人工知能といった分野を軸に企業の開発センター誘致を行うとともに、大学、研究所等と協力し、起業を目指す人材育成に取り組んでいくとしている。当地域の発展は浙江省と友好交流関係にある県にとっても、経済分野交流促進の観点から有意義であり、今後の進展に期待したい。
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