韓国駐在員報告
2023年11月 行政 駐在員 : 高橋 誠
2023東アジア文化都市もいよいよ12月でその期間を終える。韓国の全州市では、静岡県より一足先に、11月2日に閉幕式を迎えた。静岡県からは行政団及び式典での公演を行う公演団、併せて14名が全州市に向かった。
全州市の閉幕式会場となったのは、国立無形遺産院の公演場である。エントランス上部の幅5メートルを超える常設大型液晶スクリーンに、本県を含む日中韓4都市の音声付き東アジア文化都市紹介映像が流れる。院は国家予算で設置された施設で、ハコモノ設置に大規模予算を投入することに慎重な日本の、それも地方ではあまり見ない規模の施設である。
中の公演場は、本来、パンソリや韓国伝統音楽などを披露する場であるため、客席もそれほど広くはなく、来場者は多くて500人程度と閉幕式としてはちょうどいい規模。開会すると、韓国の伝統衣装に身を包んだ女性グループの舞が披露された後、ウ・ボムギ全州市長が1年間の活動を振り返りながら、惜しみながらの閉幕宣言を行った。来賓として出席した渋谷静岡県理事(東アジア文化都市担当)も壇上に上がり、900を超える行事に700万人超が参加している静岡県側の状況を報告するとともに、特に全州市が主催した日中韓3か国の高校生がチームを組んで行った「青少年伝統遊び文化まつり」に三国の未来の姿を感じたと伝えると、会場にはほほえましくうなずく姿が多く見られた。
閉幕式は、韓国のテコンドーとダンスを組み合わせたグループの公演のほか、本県からは島田市出身で津軽三味線世界大会A級優勝者の大塚ハレルヤ氏が劇団SPAC俳優によるナレーションと静岡県の映像を背景に、素晴らしい三味線の演奏を披露した。
日中韓での開催とはいえ、今年は中国との往来がまだ難しい中、本県と全州の間の交流が数多く行われ、全州市と同規模の人口を抱える静岡市との間で、自治体間交流を推進する話が進展している。10月中旬には大長副市長が全州未来都市フォーラムに出席。11月には大道芸ワールドカップにも全州市から2名のアーティストが参加し、全州市長も来静した。東アジア文化都市をきっかけに、富士山静岡空港を利用した両市の交流が深まれば嬉しい。
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