東南アジア駐在員報告
2015年8月 政治 駐在員 : 吉住理恵子
シンガポールの隣国であるマレーシアでは、政府系投資会社ワン・マレーシア・デベロプメントからの不正疑惑問題を巡り、ナジブ現首相への批判が高まり、首相側は対応に躍起となっている。
米紙によるナジブ首相の私的口座への資金流入疑惑報道を伝えたマレーシアのオンラインニュースサイト「サラワク・レポート」は、通信マルチメディア省からアクセスが一時的に制限され、出版大手エッジ・メディア・グループも公的秩序に影響を与えたとして発刊認可を凍結。
連邦警察や汚職防止委員会と合同特別捜査を進めていた法務庁長官は、「健康上の理由」で退任し、首相の説明責任を問う発言をした副首相は更迭された。7月29日には連邦警察本部で火災が発生し、「重要度の低い古い書類」が消失している。
ナジブ首相は疑惑を否定、マハティール元首相の陰謀だと主張して同氏との対立を深めており、こちらも今後の動きが注目される。
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