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東南アジア駐在員報告
1999年5月 企業動向 駐在員 : 篠原清志
・日本の中小企業の海外進出の動き
一昨年の経済危機以来、あまり聞くことがなかった、日本の中小企業の東南アジアへの進出について話題が出てきている。
大企業については、東南アジアへの進出は既に峠を越していて、現在は、各国に立地した製造拠点の戦略的な再編を実施している時期との見方が大勢となっている。一方、中小企業については、従来は系列メーカーとの関係から進出する例が多かったが、これからは、独自の経営戦略で海外に出てくる企業が多くなると考えられている。低金利の日本で調達した資金を、経営コストの低い東南アジアで投資するという動きが現れてきているという。在シンガポールの橋本大使も講演などで、技術力のある日本の中小企業がシンガポールへ投資する可能性が高いことを指摘している。
4月には、県内企業で炊飯ジャーのある部品で大きなシェアーを有する会社が、東南アジアでの工場建設地調査のためにシンガポールを訪れ、バタム島の工業団地を調査した。同社は、他にタイやベトナムも候補地として調査している。同社社長は、中国にも工場を持っているが、東南アジアでも製造拠点を作り、できるだけ早く日本、中国、東南アジアの3拠点体制で経営を安定・拡大したいと語っていた。
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