東南アジア駐在員報告
2019年10月 社会・時事 駐在員 : 福田 渉
インドネシア西ジャワ州にあるチレトゥ-パラブハンラトゥ・ジオパークを訪問した。
この地域は、ジャワ島西部で最古の地質を有していることから、2014年にユネスコ世界ジオパークの認定を受けた。この地域の南方沖にインド・オーストラリアプレートの境界があり、ユーラシアプレートの下に沈みこんでいる。付近には火山帯があり、自然の特異な景観を形成している。今回、ジオパークを訪問するために車で移動したが、山道が多く、集落に入れば渋滞が発生した。結局、西ジャワ州の州都バンドンから6時間半かかった。インドネシアの首都ジャカルタからも車で6時間以上はかかるという。関係者が話すようにアクセスにはまだまだ課題があるようだ。
しかし、到着して現地を見学すると、小高くなった丘から湾を一望する眺めは素晴らしく、他の見どころでも、地域住民が誇りをもって自分達の地域の景観を紹介している姿が印象的だった。漁業や農業の他に主たる産業がないこの地域では、ジオパーク認定を契機に地元の民芸品や伝統織物などをお土産として販売したり、観光客を受け入れるホームステイ事業などが行われるようになった。地域産業の活性化につなげたい狙いがあるようだ。交通アクセスを整備しつつ、ユネスコ世界ジオパークの理念にもあるように、自然景観の保護と地域の自立的発展が調和したジオパークになることを期待する。
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