東南アジア駐在員報告
2016年11月 政治 駐在員 : 吉住理恵子
シンガポールには現在2つの政府公認カジノがあるが、国民の賭博依存症防止のための仕組みも設けている。規制のひとつがオンライン(ネット)賭博の禁止である。遠隔賭博禁止法により、自国・他国の企業によるオンラインギャンブルが禁止されてきた。
9月末にシンガポール内務省は遠隔賭博禁止法(Remote Gambling Act)の適用除外として公営賭博のシンガポール・プールズとシンガポール・ターフ・クラブのオンライン賭博開始を認可したと発表した。中国人観光客等の減少でカジノ税収が減少する中での規制緩和となる。
シンガポール・プールズの数種の宝くじ(ナンバーズ、TOTO等)は10月25日から、ターフ・クラブの公営競馬は11月15日からオンライン受付可能となる。20歳以下は不可、クレジットカード払い不可、掛け金の日額上限設定、宣伝、広告不可などの条件がある。
ネット賭博の一部解禁について、政府は「ギャンブルを推奨するものではなく、現実を認識し安全な場所を提供することが目的」だとして、違法ギャンブル対策の一環で国民の安全確保につながると強調している。
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