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北米駐在員報告2002年10月 政治 ブッシュ大統領、ついに「先制攻撃ドクトリン」を成文化
本件を最初に報じたのは、20日付けのニューヨーク・タイムズで、同紙は、1999年にクリントン大統領が公表した報告書と比較し、「クリントン大統領の戦略が国際条約の施行や修正に重点を置いたのに対して、ブッシュ大統領の戦略は、こうした国際社会の支持を得るための努力に重点をおかず、自身の哲学を受け入れるよう他国に要請している」と、ブッシュ大統領の戦略に批判的である。 21日付けフィラデルフィア・インクワイアラーも、「国際法の下では、差し迫った脅威に対する明白な証拠がある場合にのみ先制攻撃が認められるのであって、『脅威の兆候がある』というだけで先制攻撃を仕掛けるというブッシュ大統領のドクトリンは、認められないだろう」としている。 22日付けワシントン・ポストは、「先制攻撃ドクトリンは、ロシアやインド、イスラエルなどによって、先制攻撃の正当性を都合よく利用される恐れがある」「先制攻撃をする場合、敵方の意向や軍事力を早期に判断する能力や攻撃目標への正確な攻撃能力が必要となる」「先制攻撃を恐れる国がより強力な抑止兵器を開発・生産する可能性がある」といった専門家の意見を掲載している。 23日付けクリスチャン・サイエンス・モニターは、「この安全保障戦略報告書は、ブッシュ大統領のパックス・アメリカーナ(アメリカの支配による平和)観を披露したもの」とまとめている。 |
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