東南アジア駐在員報告



2015年10月 社会・時事
駐在員 : 芦澤裕之


9月4日から6日の3日間、クアラルンプール(マレーシア)で開催された旅行博(MATTA)に参加した。今回は静岡県としての単独出展ではなく、中部広域観光推進協議会のブースの一員としての参加である。

中部広域観光推進協議会は、関係機関と連携して、平成24年から、中部北陸9県のエリアを「昇龍道」と称して、アジアからのインバウンド誘致を進めている。
マレーシアは人口約3千万人、2014年の訪日外客数は約25万人と、東南アジアではタイに続く訪日市場となっている。

近頃のマレーシア経済の鈍化や通貨リンギット安の影響から、マレーシア国民の旅行意欲の低下が心配されていたが、旅行博の会場には、有料イベント(入場料4リンギット(約120円))であるにもかかわらず、土日を中心に多くの来場者が見られた。

会場で販売されている訪日旅行商品は、FIT(個人手配旅行)向け商品よりも、団体ツアーの方が多かった。マレーシアではFIT化が進んでいると聞いていたが、団体ツアーの根強さが感じられた。旅行先は、北海道、中部(白川郷、アルペンルート)、ゴールデンルート、三重・和歌山、九州などが主流となっている。

ゴールデンルート商品に入っている静岡県内の観光地は、御殿場アウトレット、浜松、富士宮浅間大社、白糸の滝などであるが、残念ながら浜松は宿泊先としての設定で、市内観光地への立ち寄りはない。

訪日旅行最大手の旅行会社アップルバケーションズは、「藤まつり」として「あしかがフラワーパーク」のツアーを大々的に売り出していた。静岡県内にも藤枝市、浜松フラワーパークなど、藤の名所が数多くあることから、県内観光地にもチャンスがあると感じた。

マレーシアでは「昇龍道」が相当浸透しているため、私が参加した中部広域ブースには、多くの来場者が訪れた。ただし、多くが白川郷、高山、アルペンルートの説明を求め、富士山を含む静岡県に関する質問はほとんどなかった。

海外からの観光客に、各観光地を面としてPRする意義は非常に大きいので、今後は人気の「昇龍道」をうまく活用する方法を検討したい。たとえば、交通機関と連携して広域交通パスを企画販売し、観光地と一緒にPRすることや、民間企業が運営するスマートフォン向けアプリ「ナビゲート昇龍道」の県内掲載地点の増加、活用などが考えられる。


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