東南アジア駐在員報告



2016年4月 行政
駐在員 : 吉住理恵子


3月24日深夜、富士山静岡空港から仁川空港経由でシンガポールにやってきた静岡市のボーイスカウトの一団を、シンガポールスカウトとともにチャンギ空港で出迎えた。昨年度はシンガポール側が静岡県を訪問し、今回の静岡からの訪問により、2年越しで相互交流が実現したこととなる。

団員は小学校5年から高校1年までの18名、引率者を含め総勢23名。海外旅行は初めての団員がほとんどだ。日本ボーイスカウト連盟から海外派遣が正式に承認された。カブスカウト(小学校3〜5年)の海外派遣が認められたのは初めてのことだそうだ。安全面への配慮等に万全を尽くし、承認が得られたという。

到着翌日の午後には、キャンプ場近くのスンゲイブロウ自然保護地区のウォーキングにも同行させてもらった。長旅の疲れや、まだ寒さの残る日本と真夏のシンガポールとの気温差などもあり、団員達はかなり体力を消耗していたように見えたが、園内を歩く野生のオオトカゲやフクロウ、蝙蝠、渡り鳥の生態を観察したり、干潟でムツゴロウを間近に見たりと充実したプログラムに疲れも忘れて興奮した様子だった。3日目夜に行われた、シンガポールスカウトのチェアマンも出席したキャンプファイヤーでは、静岡派遣団のスカウトたちが、言葉の壁があっても自分できる範囲で一生懸命参加し、場を盛り上げる姿に胸が熱くなった。

シンガポールの仲間とスカウトという世界共通の活動を通じて交流を深めた彼らにとって、今回の経験は言葉が十分に伝わらなくても刺激的だったと思うが、言葉が通じればもっと楽しいと感じた生徒もいるだろう。こうした体験を糧に、彼らはきっとで国際社会でのコミュニケーション技術を身につけ、心身ともにバランスのとれた人物に成長していくだろう。
 
 18人もの児童・生徒の海外野外活動を実現するには、引率者はじめ関係者に多くの御労苦があったに違いない。海外経験豊かな指導者がキーマンとしてシンガポール側との調整にあたったことが、今回の実現の大きな力になっている。キーマンを支えて、課題を乗り越えて交流を実現させ、シンガポールのスカウト関係者に静岡県を印象づけていただいた関係者の皆様には敬意と感謝を捧げたい。

既にシンガポールのスカウト指導者が、3月上旬に静岡県を再訪問し、次回の静岡県での交流活動に向けたプランを練っているという。「常夏のシンガポールのスカウトに寒中のキャンプを体験させたい」という希望もあるようだ。民間交流のモデルケースともいえるこの交流が末永く続くことを願っている。

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