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東南アジア駐在員報告2020年8月 政治 7月10日、シンガポールで定数93の議席を巡って議会総選挙が行われた。新型コロナウイルスの感染防止のため、ソーシャル・ディスタンスなどの制約のなかで争われる状況は、政権与党の人民行動党(PAP)に有利に働くと思われた。前回2015年の選挙では、定数89議席のうちPAPが83議席、野党の労働者党(WP)が6議席であったが、今回はPAPが改選前と同じ83議席であったのに対してWPは10議席を獲得した。得票率もPAPが8.63%減少したのに対し、WPは10.73%増加した。もともと与党圧倒的有利の選挙制度ではあるが、野党の躍進が目立つ結果となった。特に若い有権者層がPAPによるこれまでの強引で強権的な手法に嫌悪感を示し、「国会にチェック機能を持たせる」と主張したWPに支持が集まったと有識者は分析している。 |
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