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北米駐在員報告

2002年12月 社会・時事
駐在員 : 松下 育蔵


マクドナルドと肥満

    ジャズリン・ブラッドリー(19歳、身長5.5フィート(168センチ)、体重270ポンド(122キログラム))さんのお気に入りはマクドナルドの特大サイズのハンバーガー。朝はマック・マフィン、夜はビッグ・マック・セットにアップルパイというのがお決まりのコース。アシュレー・ペルマン(14歳、4.8フィート(146センチ)、170ポンド(77キログラム))さんのお気に入りは、もれなく景品がついてくるハッピー・ミール・セット。さて、ニューヨークに住むこの2人の女性が、足繁く通うマクドナルドのブロンクス支店と本社を相手取って訴訟を起こした。「ハンバーガーばかり食べていたら、いつのまにか肥満で健康を喪失した」というのが訴状の内容である。マンハッタン連邦地裁のスウィート判事は、同社側弁護士による訴訟却下要請に裁決を下しておらず、本件はいまだ審理に至っていないが、同社やレストラン業界では、本件が法廷に持ち込まれる初のケースになると予測している。地元のニューヨーク・タイムズ(11月21日付)他、フィラデルフィア・インクワイアラー(同22日付)などがこれを報じている。
    農務省が推奨する10代の子供が1日に必要とするカロリーは2,200カロリー。
    一方、ビッグ・マック・セット(特大サイズのフライドポテトとコーラ付)のカロリーは1,600カロリー。本訴訟の骨子は、「マクドナルドの食事が及ぼす可能性のある健康被害に関して十分な情報を提供しなかったという理由で、マクドナルドに肥満の責任を追及できるか」というもの。これに対して同社の弁護士は「安い食事に健康配慮が不可能なことは自明であり、肥満は自分自身の責任以外の何物でもない」として、ベンジャミン・フランクリンの「長生きしたいならば食事を減らせ」、ヘンリー・デービッド・ソーローの「強くなるための食事と大食のための食事は違う」という言葉を引用している。また、ポスターやチラシ、ウェブサイトで栄養情報を提供していると主張する。
    前述のニューヨーク・タイムズは、原告、被告ともにアメリカの肥満人口が増大傾向にある事実に触れていない点を突いている。昨年の調査から、実にアメリカ人の61%が肥満(12−19歳でも14%に及ぶ)であることが判明している。同紙の記者は、原告の通うブロンクス支店を実際に訪れているが、そこでは食事の成分リストなるものは一切見当たらなかったという。また、本訴訟について、居合わせた客のほとんどが同記者に対して「ばかばかしい」と答えたという。マクドナルドを含む85万8,000の企業から成る全米のレストラン協会は、今後同様の訴訟が増加することへの懸念を隠そうとはしないが、本件には「取るに足りない」との姿勢を貫いている。


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