ヨーロッパ駐在員報告



2002年6月 社会・時事
駐在員 : 山口 幸博


    エルメス、ウィーン店「日本人はバッグ2個まで」報道は、全くのウソ!
    オーストリアの週刊誌「フォーマット」は、フランスの高級ブランド「エルメス」のウィーン店の店長の発言として「日本人へのバッグの販売は1人2個までに制限する」、「日本人への販売を制限しなければ、店の商品を全て買われてしまう」と紹介し、「悪評高い日本人のブランド買占め旅行がついにウィーンにも進出か」と報じた。
    共同通信は、5月24日にこの記事を配信し、一部では「パリやイタリアでの日本人客への販売制限は知られてきたが、これまでそうした店が少なかったウィーンでは初めて。」とのコメント付きで報道された。
    真偽を確かめるために、当該店のスタッフと電話で話したところ、全くの事実に反することがわかった。
    確かに、この週刊誌の記者が同店に取材に訪れ、社長(記事では店長だが)がインタビューに応じたとのことだが、「日本人への制限」の話は一切なかったとのことである。一般にブランド店では、転売目的のお客様を避けるために、一人あたりの買い物点数を制限することもあるが、「日本人」ということで制限することは、どこの店でもありえないとのことだった。
    この週刊誌「フォーマット」は、販売部数ではオーストリアで3本の指に入る雑誌のようだが、エルメスのスタッフは、「出版社には抗議を申し入れた。日本からの照会もあり、困惑している。記事には意図的なものさえ感じる。」と話していた。


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