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ヨーロッパ駐在員報告
2003年3月 社会・時事 駐在員 : 山口 幸博
2月17日から、ロンドンのリビングストン市長の構想で、交通渋滞の緩和をねらい、市内中心部(課金ゾーン)に入る車から混雑税(Cogestion Charge)を徴収する制度が導入された。
これは、祝日を除く月曜日から金曜日までの午前7時から午後6時に、ゾーン内に入る車両は、1日につき5ポンド(950円)支払うもので、ゾーン内に駐車するだけでも支払いの対象となる。支払い方法は、車両番号やゾーン内乗り入れ日等をインターネットや電話などで申告し、カード等で支払う。ゾーン内居住者は登録により料金が9割引になり、電気自動車などの代替燃料使用車や座席が9席以上ある車両、身体障害者等は支払いが免除される。
未払い者には、40ポンドの罰金が科され、未払いが3回以上続くと車両撤去も想定されている。この違反者のチェックは、ゾーン内200箇所に設置された合計800台のカメラが、ナンバープレートを撮影して、そこから料金支払いの有無を調べることになる。
しかし、2月26日付けの全国紙「Independent」は、この通行税を逃れる手口として、他人のナンバープレートをそのまま複製して、自分の車に張り付ける者がいることを報じている。そのため、3月1日からは、ナンバープレート作成業者は、プレートを作る際には、依頼者が本当の車の持ち主かを確認することが法律で義務付けられた。しかし、それ以前に、複製されたプレートを使用されていたら防ぎようもなく、当局では身に覚えのない罰金が請求されてきたら、すぐに連絡をするように呼びかけているという。
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