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韓国駐在員報告2009年4月 経済 リーマンブラザーズの破綻、ウォン安、増加する日本からの買物客 韓国観光公社によれば、2009年1月に韓国を訪れた外国人は約60万人で、前年同月比25.3%増となった。増加した観光客のほとんどは、ウォン安の恩恵を受けるため訪れた日本人のショッピング客とみられている。 ウォン安は、昨年9月15日の合衆国リーマンブラザーズ経営破たんから一気に拍車がかかった。 韓国の2007年のGDP(国内総生産)は約100兆円であるが、同社1社だけで負債総額は64兆円(2007年9月当時の換算レートによる)にも及んだ。このため、同社に対する世界中の債権者は債権回収に支障を来し、自らの資金を捻出するため、自国は勿論これまで韓国に投資してきた株・債券等を売却し、本国へ資金を還流させる大きな流れが生まれた。 外国人が、世界的な金融不安に対応して本国での資金難を解消するため韓国の株・債券を大量に売ると株価、債券価格は下落し、株・債券の売却金を本国に送金するためウォンを売ってドルに換金するとドル需要が増えウォン相場は下落した。 この結果、2007年の7月から、2009年2月末現在とを比較すると、ウォンは対円に対し、1円=7.55ウォンから15ウォン台へと、約半分の価値となった。 こうした背景から主要デパートでの日本人観光客の購入額が増加している。 ロッテ百貨店本店の昨年1〜11月の日本人観光客による売上高は、前年比106.7%増加し、特に、円高の進んだ10〜11月の増加率は507.7%にも及び、同期間の売上げは、昨年の売上げの半分を占める。 また、新世界百貨店本店の昨年1〜11月の日本人による売上高は前年比105.0%増加した。10月には160.3%増、11月には190.1%増だった。 各デパートでは円高特需に対応するため、通訳の配置、日本語の館内放送をスタートさせるなど、日本人客獲得に向けた取組みを行っている。 |
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