東南アジア駐在員報告
2019年5月 経済 駐在員 : 竹田 敏彦
3月上旬、ジェトロ主催のビジネスミッション及びセミナーに参加するためベンガルールを訪問した。
ベンガルールはインド南部に位置する人口850万人の大都市。静岡県が友好交流を進めるテランガナ州・ハイデラバードと並ぶインドのIT拠点である。
現地では今後のテランガナ州との経済交流の参考とするため、日系・インドIT企業やインキュベーション施設の関係者に2都市の特徴を聞いた。
聞取りの結果分かったハイデラバードの強みは次の3つ。一つ目に、人件費の安さ。ベンガルールと比べると15〜20%もIT人材の人件費が安い。二つ目は、まだ発展途上の地域であり日系企業にもビジネスチャンスがあること。三つ目は、州政府が主導して同地をビジネスのしやすい地域に変えていることだ。
一方、ベンガルールが優れている点としては、IT人材の圧倒的な量、企業・大学・ベンチャーキャピタル等によるエコシステムが完成していることを挙げる関係者が多かった。
静岡県の製造業を中心とする企業がインドのIT企業と協働すると仮定した場合、相性が良いのはハイデラバード(テランガナ州)ではないだろうか。それは、すでに世界のトップIT企業などにより強固なコミュニティが形成されているベンガルールと違い、ハイデラバードではお互いに対等な立場で役割分担をしながら製品開発ができる可能性が高いからだ。
もう一点、この出張でインドの人材について発見したことがある。それは、日本留学経験者に加えて、大学・日本語学校で日本語を学んだ多くの日本語話者がいるということだ。日本語学習者は現在も増加しているとのことで、東南アジアの次の人材供給地としてもインドの可能性を感じた。
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