中国駐在員報告
2017年6月 経済 駐在員 : 石井亘
中国は約13億8,000万人の人口を誇り、言うまでもなく世界第一位の人口大国である。中国では日本以上に少子高齢化が急速に進んでおり、人口構造の変化が経済発展に与える影響が懸念されている。
今年2月に国家衛生計画生育委員会が発表した計画では、2020年に中国の総人口は約14億2千万人となり、合計特殊出生率は、現在の1.7から1.8前後に増加し、男女比も112対100に改善されるとしている。但し、一部の人口学者はこの計画は楽観的であると批判している。なぜなら、現在の実際の合計特殊出生率は1.4前後であり、従って総人口もそれほど増加しないだろうと彼らは考えている。
中国の人口動態は1949年の建国から現在まで、自然災害や政治的混乱を背景に大きな変動を経ているが、1962年から1973年にかけてはベビーブームを迎え、毎年およそ2,000万ずつ人口が増加した。2020年になると、これらいわゆる「60後(1960年代生まれ)」の一斉退職が始まり、それに伴い20代から40代の経済活動の担い手である若年層への社会保障面での負担が増加すると専門家は指摘しており、老人が健康を維持することが、医療保障費負担軽減のために重要だと主張している。
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