東南アジア駐在員報告
2016年4月 行政
駐在員 : 吉住理恵子
高校の春休みに入った3月後半に、シンガポールとタイで実施された高校生海外インターンシップ推進事業に同行した。職業系専門学科等に在籍する高校2年生が、海外に進出している県内企業の海外事業所等を訪問し、就労現場を体験することで、将来のキャリア形成に生かしてもらうことを目的として教育委員会が実施した事業である。
東南アジアで静岡県からの進出企業が最も多いタイでは、首都バンコクから90分ほど離れたチョンブリ県の巨大工業団地に2つの工場を有する臼井国際産業株式会社(USUI INTERNATIONAL CORPORATION(THAILAND)LTD:通称UICT、本社:静岡県駿東郡清水町)を東部地区の高校生5名が訪問した。
2日間のプログラムで、まずタイの概要や文化、自動車産業の状況やUICTの事業等を座学で学び、工場内の「DOJO(道場)」でタイの作業員が最初に学ぶUICT内の安全ルールを学んだ後、ライン現場でのパイプ曲げ作業の一部を体験させていただいた。事業所内での昼食にはタイの代表的な料理を用意いただく等、随所にちりばめられた温かな配慮に生徒は大感激だった。
シンガポールでは、ヤマハ株式会社やヤマハ発動機株式会社の現地法人の御配慮により、販売店や物流倉庫などの現場見学とともに、企業トップから直々に海外で働く上で求められる資質について話をうかがったり、駐在員や現地スタッフに様々な質問をしたり、充実したプログラムが実現した。
シンガポールの技能専門校に設けられたデジタル音響操作のトレーニングルームの見学では、日本と異なる恵まれた設備環境下で、即戦力として高度技能人材育成に取り組むシンガポールの教育システムに、学生も引率者も多いに刺激を受けていたようだ。
日本と異なる文化、価値観や商習慣の中、海外の最前線で働く企業トップや駐在員が、少数の高校生のために時間を割き、直接語りかけた下さったことは、人材の国際化こそが今後の日本(静岡県)の重要課題と、業務を通じて日々実感しているからだろう。学校の授業で基礎的学力を涵養することは教師の役割であるが、変化する現実社会に適応できる、心身ともに強靭な人材を育てるためには、社会一体となったと取組が益々重要になると改めて感じた。
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