東南アジア駐在員報告
2017年8月 経済 駐在員 : 芦澤裕之
7月末の3日間、シンガポールの統合リゾートのセントーサ島で、シンガポール初となる日本のラーメンイベント「ラーメンレボリューション2017」が開催された。シンガポールに進出済みのラーメン店7店、未進出のラーメン店1店の計8店舗が屋台を出す、画期的なイベントだ。
シンガポールでは、ラーメンは寿司・刺身、焼き肉などと並び日本を代表する料理となっている。JETROシンガポールの調査によれば、2016年1月現在、シンガポールには日本料理店が1,400店余り存在し、うちラーメンを主要メニューとする店は189店舗となっている。
人口561万人のシンガポールに、日本全国の有名店がこぞって進出し、日本で見られるようなラーメン戦争が起きている。ミシュランで星を獲得したような名店の、日本と同じクオリティのものから、ローカライズされて日本人の口には合わなくなってしまったものまで、様々な店がしのぎを削っている。こうした競争に打ち勝つため、期間限定ながら「抹茶ラテラーメン」などの変わり種を出すラーメン店も出てきている。
シンガポールは外食文化が根強く、2013年時点の政府の調査によれば、国民は食費のうち61.6%を外食に充てている。このため、外食産業をターゲットとすることが、日本食品の販路開拓の近道であるといえる。
最近、シンガポールで一番話題になっている日本料理店は、鰻専門店だ。シンガポール初の鰻専門店「鰻満Man Man」は、毎日長蛇の列ができる人気店となっている。店内の生け簀やガラス越しの調理場など、見た目にこだわったことも成功の要因であるが、日本食ブームのこの国では、寿司やラーメン以外の日本食にもまだまだチャンスがあるということを表している。
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