台湾駐在員報告
2015年10月 社会・時事
駐在員 : 宮崎悌三
2014年8月、東京都の代々木公園で蚊に刺された人がデング熱に感染し、最終的には都内の公園を中心に計160名の方がデング熱に感染したのは記憶に新しい。
厚生労働省のホームページによると「デング熱は蚊を介して感染するもので人・人感染はしません。また、デング熱は感染しても重症化することはまれです。蚊に刺されてから3〜7日程度で高熱のほか、頭痛、目の痛み、関節等の症状が見られれば、デング熱の可能性もあるため、早めに医療機関を受診してください。屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意してください。」との説明がある。デング熱は蚊(ヒトスジシマカ等、ヤブ蚊といわれる蚊。)の成虫が越冬できる地域で感染事例が多く見られることから、東京での感染は地球温暖化の影響とも言われている。
そのデング熱が今年の5月あたりから、台湾の南部を中心に猛威を振るっている。成虫が越冬できる台湾の南部地域では毎年のように感染事例が出ているが、今年は特に感染者が多く、例年の10倍規模に上るようだ。
新聞やテレビでは毎日のように感染者数が伝えられており、感染者数を日で追って見てみると、8月30日3,446人、9月2日4,343人、同6日5,948人、同7日6,312人、同8日6,872人、同9日7,453人、同12日9,103人、同15日10,384人、同19日11,115人、同20日13,209人、同29日18,365人というように、日平均500人程度が新たに感染する勢いである。とくに台南市を中心に、高雄市、屏東県の南部3市県が台湾全体の感染者の約99%を占めるという。
デング熱は人から人には感染しない。感染した人が蚊に刺され、その蚊が別の人を刺すと感染する。感染者の特に多い台南市では蚊の撲滅と感染者対応に市を挙げて取組んでいるが、まだその勢いは収まっていない。
台南市へは中国大陸から多くの観光客が訪れているが、宿泊のキャンセルが相次いでおり、台湾で一番人気のある台南市長もデング熱の勢いで人気が削がれることは間違いないだろう。
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