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中国駐在員報告

2007年3月 経済
駐在員 : 小杉 長生


    中国からの団体観光客の半数以上は、大阪から東京の5泊6日のゴールデンコースに参加しており、その価格は6,000元(注)から7,000元の間である。都市間の移動はバスのため、かなりハードな行程となっている。人気のある新幹線やディズニーランドは別料金のオプションとなっている。
    ゴールデンコースでは、大阪・東京近郊で4泊、中間地点で1泊がお決まりで、その1泊が県西部の浜名湖周辺、県東部の伊豆の入り口附近が多いようである。そのため、他県に比べるとかなり多くの中国人観光客が宿泊していると思われるが、最近は宿泊費用の面から、中国人の言うところの「箱根」である山梨県へ流れているようである。(中国人にとっての「箱根」とは富士山を見ることができ、湖と温泉のある地域を指す。)
    富士山静岡空港の位置はちょうどゴールデンコースの真ん中であるため、観光コースの設定が難しくなっている。
    静岡イン(入国)となると西か東かのどちらかの一方通行となる。コースとしては、静岡インの九州アウト(出国)又は静岡インの東北アウト及び北海道アウトとなる。
    北海道は単独で十分コース設定ができるため、北海道アウトは少ないと思われる。
    当事務所では今年度、富士山静岡空港の利用を想定した中国人団体観光客向け日本旅行のコース設定を行い、実際に旅行社に販売してもらうという市場調査を行った。調査を実施する旅行社の選定方法として、まず地域を絞り込み、個人所得の高いエリアである沿岸部とした。その中で1か所は上海及びその周辺の華東エリア、もう1か所は広州を中心とした華南エリアを候補として両者を比較検討した。
    華東エリアについては、各旅行社でコース設定を行うケースは少なく、複数の旅行社が共同で行うことが多いため、それぞれが積極的に営業活動を行うことがなく、旧態依然とした国営体質を残している旅行社が多い。また、上海では、団体観光客より、個人的な商務ビザで観光をしている人を主なターゲットとしているようである。
    一方、華南エリアについては、香港に近いせいか、各旅行社でコース設定を行い、積極的に営業活動を行っている。
    以上のことから今回は、華南エリアの旅行社を対象として市場調査を実施することとした。そして、同地域内の旅行社をいくつか訪問した結果、担当者の反応の良いA社に決定した。
    その後、A社の評判を他地域の旅行社に確認したところ、最近、中国国内で力をつけてきた旅行社であることがわかった。
    A社の日本担当部長は、北海道、東北地方をターゲットとして営業を行い、成績を上げてきた。その理由としては、冬期の東北地方及び北海道の一部では、宿泊料金が安く、また受け入れる地域の反応が非常にいいという理由であった。静岡に関しては宿泊料金が高いだけでなく、予約が取りにくいと、あまり積極的ではなかった。
    しかし、昨年夏、副知事がA社を訪問し、富士山静岡空港のPRとともに観光客誘致について、直接、A社社長と会談した。その結果、風向きが変わり、今回の春節向け商品では、積極的に販売を行い、一番売れ行きの良い北海道より、静岡県コースが早く売れた。
    コース設定は、当事務所が中心となり、県観光協会及び沼津土木事務所の協力を得て、A社と協議し決定した。東京イン・アウトで富士山の麓のスキー場及び河津桜をメインとした伊豆地域を観光するコース設定である。(この時期に桜と雪遊びが同時に楽しめる地域は他にはないからである。)
    4泊5日のコースで、当事務所は県内2泊を推したが、A社の営業面との兼ね合いで最終的には伊東市の1泊となった。しかし、このコースが発表されると、他の旅行社も同様なコースを設定し、すぐ販売にかけたことがわかった。
    コースの概要は1日目成田着、横浜中華街、横浜泊、2日目富士山YETIスキー場、箱根、伊東泊、3日目伊豆踊り子号で河津へ、河津桜、浄蓮の滝、伊豆の踊り子像、御殿場アウトレット、東京泊、4日目浅草、東京ディズニーランド、東京泊、5日目秋葉原電器街、成田発である。
    出発日を2月7日、10日、19日、21日、22日、23日、24日とし、計7コースを販売した。結果は24日を除く6コースが満席、計209名が催行されることになった。
    旅行金額は2月7日、10日は6,980元、2月19日は8,880元、2月21日は7,880元、2月22日、23日は7,680元である。
    中国に駐在員事務所を開設している他県も、旅行社に対して広告宣伝費の一部負担をし、自県をコース設定に入れ観光客誘致を行っている。当事務所は市場調査を目的としていることから、今回、モニターを同行させ、観光客の意見などをレポートさせ、実施されたコースを検証することとした。モニター同行については今まで他県では実施したことはないようである。その結果、いくつかのことが判明した。

     第1 日本国内で手配した中国系旅行社の都合で、コースが変更され、見どころであった河津桜が車窓見学となった。また、伊豆の踊り子像見学は中止され、浄蓮の滝は十分な時間がなく、その日一日はバス移動が長時間続いた。
    第2 伊東で宿泊したホテルの評価が高かった。
    第3 浄蓮の滝でとった昼食の評価が非常に悪かった。このツアーで最悪の昼食であった。

    それ以外にも、時間配分、食事の質・量についてもいくつか意見があった。
    今回のモニター同行で判明した事は、中国国内の旅行社より、日本国内で手配する中国系旅行社に十分な注意が必要で、当事務所と中国の旅行社で協議した内容が、現地で十分生かされていない事であった。
    日本国内の中国系旅行社の手配により、良い商品がいかようにも変わってしまうため、日本国内での旅行社への働きかけの必要性を感じた。

    (注)交換比率は1元=約15円


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