東南アジア駐在員報告
2016年3月 社会・時事
駐在員 : 吉住理恵子
タイには日系企業が多数進出し、短期滞在ビザ要件が緩和されて以降、タイから多くの観光客が日本を訪れている。ただ、「東京」「大阪」「京都」「北海道」以外で個別に認識されている地域はまだ多くはない。
当事務所ではタイ国内で開催される観光展出展や観光プロモーションを継続的に行っている。今年は河津桜を取り入れたツアーが発売されたこともあり、徐々に認知度が上がってきている手応えはあるが、今後も引き続き知名度向上は課題である。
この1月、タイにおける静岡県の知名度向上を図るため、タイのビジネスリーダーを読者層に持つ月刊経済誌「フォーブス・タイランド(Forbes Thailand)」との協働により、本県のPR誌を発行した。発行に先立ち、10月上旬に1週間ほど県内取材を行い、1月号の別冊付録「フォーブス・ライフ(Forbes Life)」として、全58ページの冊子がタイ国内の一般書店や空港などの売店等で本誌(180バーツ・約630円)に付随して頒布された。
発行会社のポスト・インタナショナル・メデイア社は、タイで英字紙バンコク・ポストを出版するポスト・パブリッシングの子会社で、フォーブス・タイランドの発行部数は40,000部である。
世界レベルの本県企業、特産品(農林水産物)、自然、文化などを多面的に紹介し、タイ富裕層に対して本県の上質な魅力を訴求することを主軸としつつ、全体構成についてはタイ人の視点や嗜好を踏まえたものとするため、基本的な部分を除き編集部の意向を尊重した。そのため、取材に協力いただいた事業者の皆様の時間や労力が誌面構成に十分反映されない部分もあったが、美しい写真とともに本県の魅力がふんだんに紹介され、読み応えのある冊子となった。
一般書店や空港売店などでも販売され、タイに進出している本県企業の駐在員から「書店で見かけて買った。自分も知らないような素晴らしいところが静岡にたくさんあることを知り誇らしくなった。」「従業員が見て、次の日本旅行で静岡県に行きたいと言っていた。」という好意的な感想が寄せられた。タイの食関係のブロガーや別の雑誌メディアからは、静岡県とのコラボレーションについての前向きな提案が寄せられた。
取材協力をいただいた県内事業者及び関係機関の皆様や、発刊のきっかけづくりから発行に至るまで多大な御尽力をいただいた東京外国語大学宮田敏之教授に心から御礼申し上げるとともに、今後も引き続き、タイとの多方面での交流を促進していきたいと考えている。
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