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韓国駐在員報告

2024年3月 政治
駐在員 : 高橋 誠


 先日、某セミナーでNHKソウル支局長を務める青木良行氏の講演を拝聴した。テーマは4月10日投開票の国会議員総選挙。青木氏はお仕事柄、ニュースや政治番組を毎日チェックしているとのことで、今回の選挙戦のニュースで飛び交う独特な言葉に注目すると面白いと教えていただいた。いくつかの単語とともに、二大政党の公認候補選び(公薦)の話題を紹介する。
 韓国の国会議員を眺めてみると、多選の議員が少ないことに気づく。日本に当選10回以上の議員がいるのと比べると、韓国は多くても5選程度。1期や2期の議員が多い。日本と比べ、地盤よりも党本部の力が強く、日本では落下傘と言われるような、全く異なる選挙区に当選議員が送り込まれることが当たり前のようにある。1月まで外交部長官を務めていた朴振(パク・ジン)氏が一番わかりやすい例だ。彼は現在、ソウル市江南(カンナム)区乙選出の国会議員であるが、4年前の選挙で急に経済の中心地・江南に送りこまれた。元々は政治・行政の中心であるソウル市鍾路(チョンノ)区で3選した人物で、一度国会議員を引退していたにも関わらずだ。今回の外交部長官退任後は江南区乙での再選を目指し、党の公認を想定し江南区の有権者との交流を深めていたが、2月、突如、西大門(ソデムン)区乙での公認が決定した。
 朴振氏を含む与党側のニュースでよく出る話が「親尹(チニュン)」(尹大統領の近くにいる人材)は「陽地(ヤンジ)」、長官経験者や「非尹(ピユン)」は「険地(ホムジ)」という話だ。陽地とは比較的楽な選挙区、険地は逆に難しい区を指す。経験が少ないが大統領に近い人は楽な選挙区で公認を受け、選挙に強い人材や大統領とやや距離がある人材は難しい場所に送り込まれているというのだ。実際、朴振氏は選挙に強い実績を持つが、西大門区乙は低所得者層も多く、保守系(与党)よりも革新系(野党)が強いエリアで、現職議員は革新系の「共に民主党」である。前任の長官が再び選挙区を変え、難しい戦いを強いられることになる。日韓関係の改善に貢献した朴振氏は日本語も大変流暢で、静岡県への愛情も深い。当選に期待し注目したい。
 最大野党であり現在国会の第一党「共に民主党」で飛び交うのは、「非明」「親明」という言葉だ。「明」は党首・李在明(イ・ジェミョン)氏を指し、彼の側の人間か、そうでないかを表す言葉となっている。現在、2大政党の候補者がほぼ出そろったが、野党は「親明」ばかりが公認を得ており、「非明」人材から大きな不満が出ている。院内代表も務めた4選の洪永杓(ホン・ヨンピョ)氏など多選の有名議員も公認を得られず、離党するケースが相次いでおり、「公認虐殺」との怒号も渦巻く現在、与党よりも支持率が下がっている。ただ、毎回直前までよくわからないのが韓国の選挙。第三党の動きも含め、注目してみると面白い。


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