東南アジア駐在員報告



2016年4月 経済
駐在員 : 芦澤裕之


3月14日から19日、静岡県インド経済ミッションに参加した。本県企業の参加者と一緒に、デリー近郊、グジャラート、チェンナイの自動車、二輪車関連の工場と、投資環境を視察するミッションである。

モディ政権の「メイク・イン・インディア」キャンペーンにより、海外投資を積極的に誘致しているインドは、12億人の人口(市場)を背景に、近年7%台の経済成長を続けている。また、インドの自動車市場は現在の世界第6位から世界第3位になると予測されている。しかしながら、州ごとに異なる税制や、行政手続きの煩雑さ、インフラの未整備などにより、大企業の進出は目立つものの、中小企業の進出はなかなか進まず、各メーカーの現地調達率が低いという現状がある。

今回のミッションでは、本県からの進出企業の工場を訪問し、工場を視察させていただくとともに、工場用地の選定から立ち上げまでの実務や、部品調達方法、従業員の勤務状況、駐在員の生活まで、幅広く現地状況を教えていただくことができた。また、「州が違うと国が違うのと同じ」と言われるインドにおいて、北部、中部、南部の3地域を訪問し、それぞれの投資環境の違いを肌で感じることができたことも、大変参考になった。

今回のミッションに参加された県内企業の皆様は、既にインドに進出済みや検討中の方が多かったが、訪問先のメーカーにおいて、「現地のサプライヤーの数が足りない。品質も低い」「品質のよい日系企業の進出は歓迎」との話もあり、刺激を受けていた様子だ。

日系の大手自動車、二輪車メーカーが進出済みにもかかわらず、サプライヤーが未進出で現地調達率が低いというインドの環境は、自動車関連産業が多い県内企業の進出に適しているといえるので、海外展開を検討されている企業にあっては、インドも大きな選択肢の一つになるだろう。

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